不動産取引って、人生でそう何度もあるものじゃないですよね。家を買うとき、売るとき、あるいは借りるとき。一大イベントです。
緊張するし、書類は山ほどあるし、なんか難しそうな専門用語がバンバン出てくる……。
そんな不動産取引の世界で、結構大きな変化が起きています。
それが「本人確認の厳格化」です。
「え…本人確認ってずっとやってたんじゃないの?」
そう思ったあなた、鋭いです。確かにやってました。でも、やり方がどんどん厳しくなっているんです。
なぜか?どう変わっているのか?そして私たちにどんな影響があるのか?
今日はそのあたりを分かり易く解説していきます。

そもそも、なんで本人確認が必要なの?
不動産取引における本人確認は、主に「犯罪による収益の移転防止に関する法律」、通称「犯収法」に基づいて行われています。なんだか物々しい名前ですが、要するに「マネーロンダリング(資金洗浄)とか、詐欺とかをやめさせよう!」という法律です。
不動産は高額ですよね。東京のマンション一室でも、数千万円から億単位になることも珍しくない。こんな大きなお金が動く取引は、悪いことをしようとしている人にとって「格好のターゲット」になってしまうわけです。
たとえば、犯罪で得た現金を、架空の不動産取引を通じて「正当なお金」に見せかける。あるいは他人になりすまして土地や建物を勝手に売り飛ばしてしまう。
こういった「不動産を使った悪だくみ」が実際に起きているんです。
だから、「この人、本当に本人ですか?」「このお金、本当に正当なお金ですか?」を確認するのが本人確認の根っこにある目的です。
昔の本人確認は、ちょっとゆるかった
少し前まで、不動産取引における本人確認は今よりずっとシンプルでした。
運転免許証を見せれば基本的にOKです。宅建業者(不動産屋さん)が目の前で書類を確認して、コピーを取っておく。
それで完了、みたいな感じでした(笑)
でも実は抜け穴がけっこうあったのです。
たとえば「精巧な偽造免許証を使って他人になりすます」という手口です。あるいは「本人確認書類は本物でも、取引の目的を偽る」といったケース。
書類さえあれば通ってしまうような仕組みだったわけです。
さらにコロナ禍で「非対面」の取引が増えたことも、新たな課題を生みました。対面なら顔と書類を照合できますが、オンラインだとそれが難しい。「このデータ送ってきた人、本当に本人なの?」という疑問が出てきたわけです。
厳格化の波、具体的に何が変わった?
では、何がどう変わったのか。ポイントをわかりやすく整理してみましょう。
<①確認書類の種類が明確化・拡充された>
以前は「公的身分証明書を1点」というざっくりした運用が多かったですが、現在はより細かくルールが定められています。顔写真付きの書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)が最もスムーズに使えます。顔写真がない書類の場合は「2点以上の提示」が必要なケースが出てきました。健康保険証だけではNGになる場面も増えています。
また、マイナンバーカードの活用が急速に進んでいます。ICチップの情報を読み取ることで、偽造がほぼ不可能な確認ができるからです。国もマイナンバーカードの普及を強力に推し進めているのは、こういった背景もあります。
<②オンライン本人確認(eKYC)の普及>
KYCとは「Know Your Customer」の略で、「顧客を知る」という意味です。これをデジタルで行うのが「eKYC(電子的本人確認)」です。
具体的には下記のようなものです。
・スマートフォンで身分証を撮影し、AIが真正性を確認する
・マイナンバーカードのICチップをスマホで読み取る
・リアルタイムのビデオ通話で顔と書類を照合する
こういった方法が不動産取引でも導入されつつあります。オンライン完結の取引では、これが「顔写真付き書類の対面確認」に代わる手段として認められるようになっています。便利になった反面、「ちゃんと確認できているか」の精度も問われるようになりました。
<③取引の目的確認が強化された>
本人確認は「誰か」を確認するだけじゃなくなってきています。「何のためにこの取引をするのか」も確認するよう求められるようになりました。
たとえば投資目的の不動産購入であれば、資金の出どころについて詳しく聞かれることがあります。「現金一括払いで数億円の物件を買う」なんてケースは、特に注意深く確認されます。これはマネーロンダリング対策の一環です。
「なんでそんなこと聞くの?」と感じるかもしれませんが、これは義務として行われているものなので、正直に答えてもらえると不動産業者側も助かります。
<④司法書士・弁護士など他士業でも強化>
不動産の登記を担当する司法書士も、本人確認について従来以上に厳しい対応が求められています。
近年問題になっているのが「なりすまし登記詐欺」です。土地や建物の所有者になりすました第三者が、勝手に不動産を売却・抵当権設定してしまうという手口です。
これを防ぐため、司法書士は本人確認に加えて「意思確認」もより丁寧に行うようになっています。「あなたは本当にこの取引をしたいと思っていますか?」という確認です。特に高齢者の方との取引では、認知症などによる判断能力の問題も考慮されます。
賃貸でも他人事じゃない
「マンション買ったり売ったりしないから関係ないや」と思ったあなた!
賃貸でも本人確認はしっかりあります。
賃貸借契約を結ぶ際にも、宅建業者は本人確認書類の提示を求めます。外国人の方の場合は在留カードの確認も必要です。また、賃貸における保証会社の審査でも、身元確認が行われます。
最近では、部屋を借りる手続きもオンライン化が進んでいます。内見から契約締結まで完全にオンラインで完結できるサービスも増えてきました。そうした場合も、eKYCなどの手段で本人確認が行われています。
なんなら今後は「顔認証」や「生体認証」が賃貸の手続きでも当たり前になってくる時代も来るかもしれません。スマホに顔向けて、「ピッ」、で完了みたいな。
海外ではもっと厳しいことも
日本での本人確認強化は「世界的なトレンド」の一部でもあります。
欧米では不動産業者に対するマネーロンダリング規制がかなり厳格で、「誰が最終的な所有者なのか」(実質的支配者)の確認が義務付けられています。たとえばペーパーカンパニーを使った不動産購入でも、「そのペーパーカンパニーの後ろにいる本当の人物は誰か」まで調べなければならないわけです。
日本でも「実質的支配者」の確認義務は強化されていて、法人が不動産取引をする場合には、その法人を実質的に支配している個人まで確認するよう求められるようになっています。
「うちは法人で買いますよ」と言っても、「じゃあ法人の実際の支配者は誰ですか?」と聞かれる時代です。
面倒に感じるかもしれないけれど……
正直に言うと、本人確認の厳格化って「面倒くさい」と感じる場面は確かにあります。
書類が増える。確認に時間がかかる。「なんでそんなこと聞くの?」という質問が増える。
でも、これ、実は私たちを守るためでもあるんです。
たとえば、あなたが知らないうちに自分名義の不動産が勝手に売られてしまったら? あなたの土地に勝手に抵当権を設定されてしまったら?
本人確認の強化は、こういった「なりすまし被害」を防ぐ防波堤でもあります。面倒な手続きのひとつひとつが、実はあなたの財産を守る仕組みになっているんです。
不動産業者側の対応も変わっている
取引をする側(不動産業者、司法書士など)も大変です。
本人確認の義務が強化されれば、その分だけ業務が増えます。書類の管理、記録の保存、疑わしい取引があった場合の届出……。特に中小の不動産業者にとっては、「規制対応のためのコスト」がじわじわと重くのしかかっています。
そこで活用が広がっているのが「本人確認システム」のデジタル化です。
eKYCツールを導入することで、人手をかけずに精度の高い本人確認ができるようになります。AIが書類の真正性を判定し、顔認証で本人と一致するかを確認し、データとして保存する。これを自動でやってくれるシステムが続々と登場しています。
デジタル化によって、かえってスピーディーに本人確認が完了するケースも増えてきています。「面倒くさい」が「あっさり終わった」に変わる未来も、そう遠くないかもしれません。
これからどうなる? 未来を少しだけ予想してみましょう
ここから少し、未来の話をしましょう。
・マイナンバーカードのさらなる活用は間違いなく進みます。「不動産取引ではマイナンバーカード必須」という方向性はすでに見えています。ICチップ読み取りによる確認が標準になれば、偽造書類による詐欺はほぼ防げます。
・ブロックチェーンを使った登記も研究・実証が進んでいます。不動産の権利情報をブロックチェーンで管理すれば、改ざんが極めて難しくなります。「誰が、いつ、どんな取引をしたか」が透明かつ不変の形で記録されます。
・AIを使った不審者検知も進化しています。過去の取引データや行動パターンから「怪しい取引」を自動で検出するシステムが精度を上げています。人間の目では見落とすような「異常」をAIが拾い上げる時代です。
不動産取引の本人確認は、今後ますます「デジタル×厳格化」の方向に進んでいくでしょう。面倒だなと感じる部分は減り、でも確認の精度は上がっていく。
そんな未来が来ると思います。
まとめ
書いた内容を整理すると、こうなります。
不動産取引における本人確認は、マネーロンダリングやなりすまし詐欺を防ぐために、法律に基づいて行われています。その確認方法は年々厳格化されており、書類の種類・確認の方法・目的の確認など、複数の面で強化が進んでいます。オンライン取引の普及に伴い、eKYCなどのデジタル手段も積極的に導入されています。そしてこれらは今後さらに進化していく見通しです。
「不動産を買う・売る・借りる」という場面が来たとき、書類の準備はしっかりしておきましょう。特にマイナンバーカードは、これからの時代の「必携アイテム」になっていきます。まだ作っていない方は、そろそろ作っておいたほうが良いかもしれません。
「本人確認」は少し面倒に感じるかもしれませんが、それはあなたの大切な財産を守るための「必要なひと手間」です。
不動産取引、安心・安全に進めるために、知識を持って臨みましょう。
不動産投資、賃貸、売買など不動産に関する事なら何でもお気軽にご相談ください。
素敵なお家を一緒に探しましょう!
シエラ不動産は池袋を中心に渋谷・新宿などのエリアで地域密着を強みとしたマンションやアパート、店舗、事務所の賃貸の仲介や売買を行っています。
お客様一人一人の要望に徹底的に寄り添い、最適な物件探しをお手伝いさせていただきます。
朝10時から夜23時まで営業しておりますので、お仕事帰りなどにも気軽にご相談いただけます。
海外出身のお客様のお部屋探しにも対応しておりますので、その際はぜひお声がけくださいませ。
Sierra real estate introduces rent houses around Tokyo, such as Ikebukuro, Shibuya, and Shinjuku area.
We hear customers' purposes carefully and try to introduce the most comfortable room.
We open 10:00-23:00 and you can visit us anytime you want.
Please feel free to contact us.

