今回は不動産とは少し違い、介護についてです。

介護に携わっている方ならば、介護老人保健施設(老健)特別養護老人ホーム(特養)という名前を聞いたことがある方も多いと思います。

日本は少子化と高齢化が進んでいる状況です。厚生労働省による令和2年度(2020年度)の調査によると、介護を必要としている高齢者は約668万人です。
令和元年度(2019年度)の約655万人から、さらに13万人増えているのです。

これほど増えている理由は65歳以上の高齢者の人口が増えているからです。
それに追加して少子化で総人口が減っているのです。

そうなると介護施設に入居する方だけでなく、自宅で介護サービスを利用したり、デイサービスなどを利用したりするようになることが予想されます。

そこで今回は介護老人保健施設(老健)と特別養護老人ホーム(特養)について簡単に説明します。



まず、介護老人保健施設と特別養護老人ホームはどちらも介護保険施設になります。

介護老人保健施設は略して「老健」、特別養護老人ホームは略して「特養」と呼ばれています。

ちなみに特別養護老人ホーム(特養)は介護保険制度上では「介護老人福祉施設」と言います。
(※介護老人保健施設(老健)と似ているので注意!)

介護老人保健施設(老健)とは?

介護老人保健施設(老健)は在宅復帰を目指す施設です。

施設内に介護士だけでなく医師や看護師も常駐しているので介護度も高く、安全にリハビリに取り組むことができます。

また介護老人保健施設(老健)は介護保険法により5つの区分に分けられています。(平成30年4月介護報酬改定)

①基本型
②加算型
③在宅強化型
④超強化型
⑤その他型

※②加算型、③在宅強化型、④超強化型の3つは厚生労働省が規定する要件をクリアした在宅復帰と在宅支援機能が高いと認められた介護老人保健施設(老健)となっています。

特別養護老人ホーム(特養)とは?

特別養護老人ホーム(特養)は高齢者の終の棲家です。

「終の棲家」とは生涯を終えるまで生活する住居という意味です。

こちらも24時間の介護サービスがあります。

そして特別養護老人ホーム(特養)は介護度の高い利用者が多いため、看取りに対応しています。

「看取り(みとり)」とは、具体的に死が避けられない状況の人に対し、最期を迎えるその時まで、食事や排泄の介護といった日常生活のケアをすることです。

病院での看取りの数には到底及びませんが、特別養護老人ホーム(特養)で最期を迎える方の割合は着実に増えてきています。

介護老人保健施設(老健)と特別養護老人ホーム(特養)の違い

分かり易く表にまとめてみました。

介護老人保健施設(老健)特別養護老人ホーム(特養)
目的在宅復帰を目指す施設長期間にわたり生活する施設
要介護度要介護1以上要介護3以上かつ65歳以上
入居期間3ヶ月ごとに検討される
※一般的には半年~1年3ヶ月程度
期間なし
※終身利用可能
サービスリハビリ、医療ケア、介護サービスなど生活支援、機能訓練、介護サービスなど
リハビリ週に2回以上※施設によって異なります
食事ありあり
お風呂週に3~4回週に2回
洗濯※施設によって異なります施設がやってくれます
医師や看護師多い少ない
費用月額利用料のみ(入居一時金は不要)
9~15万円程度
※医療費は規定の範囲内であれば施設サービスに含まれます
月額利用料のみ(入居一時金は不要)
10~14.5万円程度
※医療費は別途請求されます

※月額利用料は介護保険を利用すれば、所得に応じて1~3割負担で抑えられます


ちなみに月額利用料の項目は以下になります。

・医療費
・施設介護サービス費
・居住費
・食費
・介護サービス加算
・日常生活費
・医療費など

※注意※
介護老人保健施設(老健)の医療費は規定の範囲内であれば施設サービスに含まれます
特別養護老人ホーム(特養)の医療費は別途請求されます

介護老人保健施設(老健)のメリット・デメリット

◆メリット
・医師や看護師が多いので、手厚い医療ケアが受けられる
・リハビリ環境が充実している

◆デメリット
・本人の介護度が重いと居前面談で入居を断られる場合もある

特別養護老人ホーム(特養)のメリット・デメリット

◆メリット
・介護だけでなく、終の棲家として看取りまで対応してくれる
・老人ホームよりも費用が安い

◆デメリット
・要介護3以上の人しか入居できない
・待機者が多い(空くのを待つ)

まとめ

簡単にではありますが、介護老人保健施設(老健)と特別養護老人ホーム(特養)について説明しました。

どちらも介護保険施設ですが、入居条件には多少違いがあり、要介護認定区分によって変わるため、該当するかどうかの確認が必要です。

そして、介護老人保健施設(老健)は在宅復帰を目指す施設で、特別養護老人ホーム(特養)は高齢者の終の棲家と覚えておきましょう。
一般的には上記のようになっておりますが、特別養護老人ホーム(特養)から在宅復帰をされたケースもあるので、詳しくは介護の専門家などに聞いてみてください。


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今回は不動産とは少し離れましたが、団塊の世代が後期高齢者になる2025年に国民の3人に1人が65歳以上となり、高齢者人口が激増すると言われています。
実際に介護の現場でも人材や施設の大幅な不足が見込まれおり、介護を必要としているのに受けられない「介護難民」の問題が深刻化すると予想されております。

介護難民の問題が起こると……自宅で介護サービスを利用したりすることもあるでしょう。
悩んだ時の為に介護施設について事前に色々と知っておくことは重要です。
早い段階から、たくさんの情報を集めておくことが大事なのです。


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