マンションの購入を考えている方も区分所有法について少しは知っておいた方が良いと思います。
そこで今回は区分所有法について最低限知っておくべきことを説明しますので、これからマンションの購入を考えている方は参考にしてください。
区分所有法は昭和37年に公布された法律です。
昭和58年には原則として区分所有建物の専有部分と敷地利用権を分離して処分することはできないものと改正され、平成14年には規約の適正化や共用部分の重大変更の定義の見直しなど多くの改正が行われました。
区分所有法の正式名称は「建物の区分所有等に関する法律」といい、一棟の建物を室を単位に「区分」し、その各部分を所有権の目的とする場合の所有関係を定めるとともに、廊下・階段を含めた建物や集会室・管理人室などの附属施設そして敷地などの共同管理について定めた法律です。
簡単に言えば、区分所有法は区分所有建物についてのルールを定めた法律です。
一軒家ならベランダや階段をどう使おうが住んでいる人の自由ですが、マンションの場合は違います。
マンションには専有部分と共用部分があります。
・専有部分 ⇒ 201号室のような1室のこと
・共用部分 ⇒ 階段やエレベーターなど
更に共用部分には、法定共用部分(廊下、階段など)と規約共用部分(集会室、管理事務所など)があります。
※敷地利用権は規約で分離処分できる旨を定めれば、専有部分と敷地利用権を分離できます
※敷地利用権は所有権、地上権、賃借権、使用借権(地代の支払いがない土地の貸し借り)があります
ということは「共用部分は決まりがあるけど、専有部分は何でもOKってこと?」と思うかもしれませんが、それも違います。
専有部分も無制限に自由に利用できるわけではないのです。(民泊やシェアハウスはNGなど)
つまり、マンション利用についてのルールは区分所有法で定められているということです。
区分所有法には具体的にどれがOKでどれがNGなどが記載されているのではなく、基本となる考え方が定められているのです。
ちなみに具体的なルールなどはマンションの管理規約などに記載されていますので、マンションを購入する場合は管理規約や使用細則をしっかり確認して納得した上で購入することが重要です。
管理組合
管理組合は区分所有者全員が構成員になります
※自動的に構成員になります
※脱退はできません
◆管理者の選任 ⇒ 区分所有者の過半数の賛成が必要
※管理者は組合員以外でも可能
◆管理組合法人 ⇒ 区分所有者及び議決権の3/4以上の賛成が必要、登記も必要
※理事・監事が選任され、管理者は退任
集会
◆専有部分を借りている占有者も出席はできるが議決権はない
◆区分所有者の1/5以上を有する人は集会の招集を請求できる ※規約で減らせる
◆最低でも年1回は開催、1週間前に告知が必要 ※規約で伸縮できる
※告知は建物内の見やすい場所に掲示する
※区分所有者の全員の同意があれば、招集手続きなしで集会ができる
集会の決議
◆共用部分の管理や軽微変更 ⇒ 過半数が必要
◆建替え決議 ⇒ 4/5以上が必要
①規約の設定、変更、廃止
②管理組合法人の設立、解散
③義務違反者への使用禁止請求、競売請求
④大規模(価格の1/2を超える)滅失の復旧
⑤共用部分の重大変更
①~⑤ ⇒ 3/4以上が必要
※⑤共用部分の重大変更⇒規約で区分所有者の定数のみを過半数まで減らすことができる(議決権は3/4です)
・普通決議……規約で別段の定めができる
・特別決議……規約で別段の定めができない(⑤共用部分の重大変更の定数だけはできる!)
決議の効力
区分所有者の相続人だけでなく、特定承継人にも及ぶ
議長
管理者は集会を招集した区分所有者の1人が議長となります
議事録
書面または電磁的記録で作成して議長及び区分所有者の2人が署名押印する
※保管場所は建物内の見やすい場所に掲示する
公正証書による規約の設定
最初にマンションを所有する人が公正証書により規約を設定できる
①規約共用部分に関する定め
②規約敷地に関する定め
③敷地利用権の分離処分が出来る旨
④敷地利用権の持分割合に関する定め
義務違反者への措置
共同の利益に反する行為はダメです
①行為停止請求 ⇒ 裁判不要
②使用停止請求 ⇒ 裁判必要(区分所有権、議決権は3/4以上)
③競売請求 ⇒ 裁判必要(区分所有権、議決権は3/4以上)
区分所有建物の復旧・建替え
・小規模滅失の復旧(建物価格の1/2以下)⇒普通決議
・大規模滅失の復旧(建物価格の1/2以上)⇒特別決議(3/4以上) ※反対した人は時価で買い取るべきことを請求できる(断れない)
・建替え⇒区分所有者、議決権の4/5以上で建替え決議ができる ※反対した人は時価で売り渡すべきことを請求できる(断れない)
まとめ
区分所有法による上記以外にもまだまだありますが、最低限このあたりは知っておきましょう。
マンションの組合の理事にならない場合でも区分所有法や管理規約、使用細則などは確認しましょう。
もちろん1つのマンションで多くの人が生活しているので、騒音問題や共用部分のゴミ問題などのトラブルもあると思います。
相手に「管理規約に違反している」と言っても、全く話を聞いてくれないケースも多いと聞いています。そんな時は管理組合だけで解決するのではなく、弁護士など法律の専門家に相談することをオススメします。
しかし区分所有法や管理規約、使用細則を定めておくことで未然にトラブルを防ぐことができるケースもあるので、管理規約などは必要に応じて見直すことをオススメします。
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