念願のマイホームを購入したが……「もう住宅ローンが払えない……!」。
そうなった時、あなたの目の前に現れるのが2つの文字です。

それは「競売」「任意売却(任売)」です。
どちらもマイホームを手放すという厳しい現実ですが、実はこの2つ、「同じようでまったく違う」出口なのです。

今回は不動産業界のリアルな裏話を交えながら、競売と任意売却(任売)の違いをわかりやすく学べるように解説していきます。

「競売」とは?

競売とは、お金を返せなくなった人の不動産を裁判所が強制的に売ることです。

イメージ的にはこんな感じです。

🧑‍💼銀行:「住宅ローン、3ヶ月滞納してますね。もう返済計画を立て直すのは難しそうです。」

👨‍🔧借主:「すみません…もう払えません。」

🧑‍⚖️裁判所:「では、物件を競売にかけます!」

裁判所が主導して「誰でも買えるオークション形式」で売りに出されます。
最高額をつけた人が落札者となり、その代金が債権者(銀行など)に渡る仕組みです。


■競売の特徴まとめ

主導者裁判所
売却価格市場価格より安い(6〜8割程度)
所有者の意思ほぼ反映されない(強制)
プライバシーバレやすい(公告・ネット公開)
立ち退き強制執行あり(最悪、強制退去)

つまり、競売は強制的に売られるオークションです。
ドラマの中で「家が競売にかけられる!」と叫ぶシーンがあるように、持ち主の意思とは関係なく進む、最後の手段なのです。

「任意売却」とは?

任意売却(任売)とはローンを滞納してしまったけれど、競売にかけられる前に自分の意思で売る方法です。

イメージ的にはこんな感じです。

🧑‍💼銀行:「返済が難しいんですね。でも競売にする前に自分で売ってもいいですよ。」

👨‍🔧借主:「えっ、自分で売ってよいのですか?助かります!」

🧑‍💼銀行:「売れたお金をローン返済に充てましょう。足りない分は分割で返せばOKです。」

このように任意売却は債権者(銀行など)の同意を得て行う「話し合い型の売却」です。
つまり競売になる前のワンクッションなのです。


■任意売却の特徴まとめ

主導者所有者(+債権者の同意)
売却価格市場価格に近い(8〜9割)
所有者の意思反映される(相談可)
プライバシー守られやすい(公告なし)
立ち退き穏やかに引っ越せることが多い

つまり、任売は「話せばわかるタイプ」のような感じで、競売は「話しても聞かないタイプ」みたいな感じです。

両方の違いを知っておくだけで、万が一のときに天と地の差が生まれます。

実際の流れを見てみよう!

🏠 登場人物
①佐藤さん(40代):マイホーム購入後に転職 → 給料減 → 返済難
②田中さん(銀行員):冷静だけど実は優しい
③山本さん(不動産会社):任売のプロ



【ステップ1】ローン滞納3ヶ月で銀行から電話

📞田中さん(銀行員):「佐藤さん、3ヶ月滞納されています。今後のご返済どうされますか?」

💦佐藤さん(40代):「すみません、転職したばかりで…。少し待ってもらえませんか?」

銀行も鬼ではありません。
最初は「待ち」や「返済計画の見直し」に応じてくれます。



【ステップ2】6ヶ月滞納 → 競売手続き開始!

📩田中さん(銀行員):「残念ながら、このままでは担保権を実行いたします」

ここで裁判所に「競売申立て」。

すると物件の情報が「BIT」という国の競売情報サイトに公開されます。
つまり、誰でもその家が“競売物件”だと見られる状態になります。

※BITとは不動産競売物件情報サイト(Broadcast Information of Tri-set system)のことです!



【ステップ3】任売を提案される

🏢山本さん(不動産会社):「競売になる前に任意売却で動きましょう。まだ間に合います!」

💡佐藤さん(40代):「任意売却なら、少しは自分の希望も聞いてもらえるんですか?」

🏢山本さん(不動産会社):「はい。買主さんが見つかれば、引っ越し代を残せるケースもあります!」



【ステップ4】任売で売却成立!

市場価格に近い金額で売れ、ローンの一部を返済。
残債は無理のない範囲で分割に。

🏡佐藤さん(40代):「ありがとうございます。強制退去にならずに済みました。」

💬山本さん(不動産会社):「こちらこそ、早く動いたのが良かったです!」

なぜ任意売却のほうがマシなのか?

では、なぜ多くの専門家が「競売より任売がいい」と言うのでしょうか?

理由は3つあります。

理由①価格が高く売れる
競売は市場価格の6〜7割で落札されることが多く、一方の任売は8〜9割で売れるケースが一般的です。
つまり同じ家でも、1000万円前後の差が出ることもあるのです。

理由②プライバシーが守られる
競売になると、住所・間取り・写真までネットに掲載されます。
「え、あの人の家、競売出てるじゃん!」なんて近所で噂になることも珍しくありません。
任意売却なら通常の売買と同じ扱いなので、周囲に知られず静かに売れるというメリットがあります。

理由③立ち退きがスムーズ
競売だと落札後に強制退去命令が出ることもあります。
一方で任売なら引っ越し時期を相談したり、引っ越し費用を確保できたりと穏やかに次の生活に移行できる可能性が高いのです。

競売になってしまうとどうなるの?

ここで競売ルートに進んでしまった場合のリアルな流れを見てみましょう。

① 裁判所から調査官がやってくる
家の中を撮影・調査し、「評価書」を作成します。(この時点でバレた感が近所に伝わります……)

② 「BIT」に情報が公開される
住所、間取り、内部写真、査定額などが全国公開されます。
ネット上に「自分の家」が出るという地獄のような瞬間です……。

③ 落札 → 強制退去
落札者が決まると「引渡命令」が出され、最悪の場合は執行官と警察が来て強制的に退去させられます……。

④ 売却後も残債が残る
安く売られるためローンが完済できず、残債が残るケースが多いです……。
つまり、家も失い、借金も残る…というダブルパンチです……。

任売にもデメリットはあるの?

もちろん任意売却も万能ではありません。
以下のような点には注意が必要です。

デメリット①債権者の同意が必要
銀行や保証会社が「OK」と言わなければ成立しません。
複数の金融機関が関わっている場合は交渉が長引くこともあります。

デメリット②信用情報に傷がつく
ローン滞納後に行うため、信用情報(いわゆるブラックリスト)には登録されます。
ただし、これは競売でも同じこと。
つまり「どちらも傷はつくが、ダメージの深さが違う」と考えるべきです。

デメリット③時間との勝負
競売開始決定までに動かないと間に合わないことがあります。
任売はスピード勝負なのです。

プロが教える「任意売却の成功ポイント」

任意売却の成功ポイントを4つ紹介します。

とにかく早く相談する
滞納が1〜2ヶ月のうちに動くのが理想です。

任売に強い不動産会社を選ぶ
通常の仲介と違い、債権者との交渉スキルが必要です。

家族で情報共有する
隠していても、あとで必ず分かります。
早めにオープンに話すことをオススメします。

引っ越し代確保を交渉する
場合によっては、引っ越し費用を残してもらえるケースもあります。

実際の体験談

🧔Aさん(42歳・元営業職)の場合

コロナ禍で収入が激減し、ローンを滞納してしまいました。
銀行から競売通知を受け取り、焦って不動産会社に相談。

→ 任意売却で2500万円で売却。(競売に比べて約400万円高く売れた)

「最初はもう終わりだと思っていましたが、ちゃんと話せば道があるって知りました。」

「競売と任売」結局どっちがいいの?

ここまでの「競売と任売」の特徴などを表にまとめてみました。

比較項目競売任意売却
主導者裁判所所有者+銀行
売却価格安い(6〜7割)高い(8〜9割)
プライバシー公開される守られる
立ち退き強制協議で決定
精神的ダメージ
再起のしやすさ困難比較的容易

結論:「任売」はマシな選択肢ではなく、再起への第一歩だと思います。

もしもの時にどうすればいい?

もし、あなたや知り合いがローンに行き詰まったら、以下の点を参考にして下さい。

①銀行に正直に話す
→ 「払えない」より「どうしたらいいですか?」のほうがずっと誠実です。

②任意売却に強い専門業者へ相談
→ ネットには「任売専門」と名乗る会社が多いので、口コミなどを確認しましょう。

③早めに動けば選択肢が増える
→ 放置すると、選べるのは「競売」だけになってしまいます。

まとめ:「競売と任売」あなたならどっちを選ぶ?

競売は「強制終了」
任売は「話し合いの上でのリセット」

このように覚えておきましょう。


🎯まとめポイント
競売=裁判所が主導する強制売却(市場価格の6〜7割)
任売=銀行と話し合って自分で売る(市場価格の8〜9割)

任売のほうがプライバシー、価格、精神面で圧倒的に有利です。
(ただし、スピードと専門家選びがカギ!)


人生、うまくいかないことは誰にでもあります。
でも、どう立て直すかが本当の分かれ道です。

もしローンが苦しいと思ったら、恥ずかしがらずに早めに相談することをオススメします。
任意売却(任売)は「負けではなく、次に進むための戦略的撤退」なのです。


最後に一言だけ言わせてください。

家を失っても、人生は失いません。
競売と任売の違いを知ることは、再スタートの知恵なのです。


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