賃貸物件を借りる際、ほとんどの場合で必要となるのが「家賃保証会社」の利用です。
近年は連帯保証人を立てられない入居者が増えており、オーナーや管理会社が安心して契約を結ぶために、保証会社を通すことが一般化しました。
しかし、いざ審査を受けるとなると……「落ちたらどうしよう」「保証会社によって審査の厳しさが違うの?」と不安を抱く方も多いでしょう。
実際、保証会社には大きく分けて以下の3種類があり、それぞれで審査難易度や特徴が大きく異なります。
①信販系保証会社
②信用系保証会社(LICC系)
③独立系保証会社
今回は、それぞれの保証会社の特徴、審査基準の違い、落ちやすい人の特徴、そして「審査に通りやすくするコツ」まで徹底的に解説します。

家賃保証会社とは?
まず基本的な仕組みを確認しておきましょう。
家賃保証会社とは、入居者が家賃を滞納した場合に入居者に代わってオーナーや管理会社へ家賃を立て替えて支払う会社です。
その後、保証会社は滞納者に対して立替分を請求することになります。
つまり、保証会社を利用することで、オーナーは「滞納リスクを減らす」ことができ、管理会社にとっても「入居者の回収業務を軽減できる」というメリットがあります。
一方で入居者は「連帯保証人を探さなくても部屋を借りられる」という利点がありますが、必ず家賃保証会社の審査に通らなければなりません。
保証会社の3つの分類と特徴
保証会社は大きく以下の3種類に分けられます。
レベル【高】
信販系保証会社
信用系保証会社
独立系保証会社
レベル【低】
①信販系保証会社
企業:オリコ、アプラス、エポス(ROOM iD)、SBIギャランティ、全保連、クレディセゾン、ジャックスなど
信販系はクレジットカード会社や信販会社が運営する保証会社です。
特徴は「クレジットカード審査と同様の与信審査」を行う点にあります。
クレジットカードの事故歴、自己破産、債務整理、消費者金融の借り入れを見て判断することが多いです。
CIC(指定信用情報機関)やJICC(日本信用情報機構)などの過去の履歴を取り寄せ、入居審査に採用しているため、審査項目が多く、難易度が高いと言われています。
・審査の厳しさ:最も厳しい
・審査基準:過去のクレジット履歴(クレジットカード、ローン、携帯料金など)をCICやJICCといった信用情報機関で確認
・落ちやすい人:過去にクレジット延滞、債務整理、自己破産などの履歴がある人
クレジットカードを持てない人は信販系の保証審査にも通りにくい傾向があります。
主な審査項目には下記のようなものがあります。
・クレジットカードの滞納
・携帯電話の分割払い滞納
・奨学金の滞納
・国民健康保険料の未納
・公共料金の滞納
・犯罪、逮捕歴
・反社会的勢力該当
<体験談A>~クレジット延滞経験のある20代会社員~
「社会人2年目で引っ越しを決めたんですが、保証会社がエポスカード系でした。実は学生時代に携帯代を2ヶ月延滞したことがあって…それが信用情報に残っていたらしく、まさかの審査落ち。不動産会社に『別の保証会社に回しますね』と言われて救われましたが、その瞬間は本当に焦りました。」
信販系は過去のクレジットヒストリーに敏感です。
滞納、延滞、債務整理の履歴があると、落ちる可能性が高まります。
②信用系保証会社(LICC系)
企業:全保連、ジェイリース、エルズサポート、ニッポンインシュアなど
LICC (全国賃貸保証業協会)やCGO(全国保証機構)という協会に加盟している会社間で「過去の家賃滞納歴」や「トラブルのあった情報」を共有しています。
信用系は信販会社ほど厳格ではありませんが、一定の与信チェックを行う保証会社です。
信用情報を直接確認しないケースも多く、勤務先や収入などを基準に判断する傾向があります。
・審査の厳しさ:中程度
・審査基準:勤務先、年収、勤続年数、家賃の負担率(年収に対する割合)など
・落ちやすい人:無職、フリーターで安定収入がない人、家賃に対して収入が低すぎる人
信販系で落ちた場合でも、信用系なら通過する可能性があります。
<体験談B>~フリーランスの30代男性~
「会社員を辞めてフリーランスになったばかり。安定収入の証明がしにくく、信販系で落ちました。その後、信用系の日本セーフティーに回してもらったところ、確定申告書を提出したら無事に通過。フリーランスでも、ある程度の収入があれば信用系なら可能性があるんだと実感しました。」
信用系は勤続年数や職業よりも「家賃が収入に見合っているか」を重視する傾向があります。
③独立系保証会社
企業:フォーシーズ、日本セーフティー、Casa、日本賃貸保証(JID)など
独立系という名前の通り、他の会社と情報を共有せず独自の審査基準で審査をする保証会社です。
独立系は信販系や信用系ほど厳しい与信審査を行わないケースが多く、審査通過率が比較的高いのが特徴です。
保証料がやや高い場合もありますが、「最後の砦」として利用されることも少なくありません。
・審査の厳しさ:比較的ゆるい
・審査基準:簡単な属性確認(年齢・職業・連絡先)、緊急連絡先がつながるかどうかなど
・落ちやすい人:よほどのトラブル歴(過去に家賃滞納を繰り返したなど)がある場合
保証会社の審査に不安がある方は、独立系を利用できる物件を探すのも一つの方法です。
<体験談C>~過去に自己破産歴のある40代女性~
「数年前に自己破産をしているので、信販系は絶対に無理だと思っていました。それでも子どもの学校の関係でどうしても引っ越したくて、不動産会社に相談。結果、独立系の全保連であっさり通過。保証料は少し高めでしたが、住む場所が確保できた安心感の方が大きかったです。」
独立系は過去の金融事故よりも「今ちゃんと連絡が取れる人か」「家賃を払える見込みがあるか」を重視するため、最後の砦になることも多いです。
どの保証会社が割り当てられるかは選べない?
物件を借りる際、入居者が「保証会社を選ぶ」ことは基本的にできません。
管理会社やオーナーが提携している保証会社が自動的に決まるため、信販系で審査を受けるしかないケースも多いです。
ただし、一部の管理会社では複数の保証会社と提携しており、審査に落ちた場合に別の保証会社へ切り替えてくれることもあります。
この場合、「最初は信販系→次に信用系→最後に独立系」という順番で審査を回されることが多いです。
<体験談D>~二度落ちて三度目で通過した20代男性~
「初めは信販系で落ち、次に信用系でも落ちました。正直『もうダメかも』と思ったんですが、最後に独立系でようやく通過。不動産会社の担当者が『こういうケースは珍しくないですよ!』と言ってくれて少し安心しました。」
家賃保証会社の審査で見られるポイント
保証会社の種類に関わらず、共通してチェックされる項目があります。
・安定した収入があるか(正社員、公務員は有利)
・家賃の負担率(年収の30〜40%を超えると厳しい)
・勤務先や勤続年数(転職したばかりだと不利な場合も)
・過去の家賃滞納歴(管理会社のデータに残っている場合も)
・緊急連絡先の信頼性(連絡が取れる人物であるか)
審査に落ちやすい人の特徴
審査難易度は保証会社によって異なりますが、次のような人は要注意です。
・クレジットカードや携帯料金を過去に延滞したことがある
・債務整理や自己破産の経験がある
・無職、収入が安定しないフリーター
・家賃が収入に比べて高すぎる
・緊急連絡先が親族でなく友人など(信頼度が低い)
審査を通りやすくするためのコツ
完全に審査基準をコントロールすることはできませんが、次の工夫で通過率を高めることができます。
①収入に見合った物件を選ぶ
→ 月収の30%以内の家賃が理想
②緊急連絡先を親族にする
→ 信頼度が高まりやすい
③複数の物件を検討する
→ 保証会社の種類が変われば、審査結果も変わる可能性がある
④不動産屋に相談する
→ 「信販系は難しいかもしれないので、信用系や独立系に回してほしい」と伝える
まとめ
家賃保証会社の審査は種類によって難易度が大きく異なります。
信販系、信用系(LICC)、独立系の保証会社をまとめてみました。
賃貸の際に参考にして下さい。
信販系保証会社 | 信用系保証会社(LICC) | 独立系保証会社 | |
審査 | 厳しい | 普通 | ゆるい |
審査基準 | クレジットカードの事故歴・自己破産・債務整理・消費者金融の借り入れなど | 過去の家賃滞納歴・収入や勤続年数など | 独自の審査基準 |
保証会社 | オリコ・アプラス・エポス・セゾンなど | 全保連、ジェイリース、エルズサポート、ニッポンインシュアなど | フォーシーズ・日本セーフティー・Casaなど |
審査に落ちたからといって、賃貸契約を諦める必要はありません。
複数の保証会社を利用できる物件を選ぶことで、最終的に入居できる可能性は十分にあります。
不安がある方は管理会社や不動産会社に相談しつつ、自分の状況に合った保証会社を選べる物件を探すことをオススメします。
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