「民泊って稼げるらしいよ」
「空き部屋があるから、ちょっとやってみようかな」
そんな軽いノリで始めてしまうと、あとで確実にヒリヒリするリアルがあります。

そこで今回は、
・民泊って実際どうなの?
・トラブルってあるの?
・儲かるの?やめたほうがいいの?

このあたりの疑問を分かりやすく解説します。

また民泊の今後についての私の感想なども書いておきます。
これから民泊事業をお考えの方は参考にしていただけると幸いです。

これを読めば
✔ 民泊の種類
✔ 始めるために必要な手続き
✔ よくあるトラブル
✔ 実際の収益構造
✔ 始める前にチェックすべきポイント

上記のことが少しは頭に入ると思います。

では、さっそく民泊の世界へご案内します。

民泊とは?

一言でいうと「一般人が自宅や空き部屋を旅行者に貸して収益を得るビジネス」です。

昔は「勝手にエアビーで貸してる人」みたいなイメージがありましたが、2018年に住宅宿泊事業法(民泊新法)がスタートし、登録制になって一気に健全化しました。
とはいえ「自由に貸してOK!」とはならず、意外とルールが多いのが民泊の奥深いところです。

大まかな民泊の分類は以下の3つです。

住宅宿泊事業(民泊新法)
→ 年180日以内の営業なら、一般の住居でもOK。
 「自宅の空き部屋を貸す」イメージはこれ。

旅館業(簡易宿所)
→ 登録すれば365日営業可能。
 ガチ勢はこれ。設備基準も厳しめ。

特区民泊
→ 特区が定めたルールで認める方式。
 ※東京大田区・大阪市などが代表例!

「なんだ、種類あるだけでしょ?」と思うかもしれませんが、この分類を理解してないと知らぬ間に違法民泊になってしまうこともあるのです…。

民泊で稼げるって本当?【収益のカラクリ】

民泊の収益は基本的に「宿泊単価 × 稼働率 − 経費」で決まります。

例えば
・1泊15,000円
・月の稼働率60%
・経費(清掃・光熱費・手数料など)30%
だとすると…

15,000円 × 18泊 = 27万円
経費で約8万円引かれる(27万-8万)
月19万円の利益!

「おお、思ったよりイケる!」と思うかもしれませんが……現実はもう少しシビアなのです。

下記のような要素も響いてきます。

・立地(観光地近い?駅近?)
・シーズン(繁忙期と閑散期の差が激しい)
・レビュー(★4.8以上じゃないと埋まりにくい)
・清掃品質(これが悪いと一発アウト)
・為替(インバウンドに影響)

特にレビューは命です。
民泊ホストの間では「レビューは神」とよく言われ、★3なんてついた日には予約がピタッと止まることもあるそうです(泣)

民泊のリアルなトラブル集

民泊は人が絡むビジネスなので、トラブルゼロはハッキリ言って無理です。

民泊ホスト界隈でよくあるトラブルを紹介します。

①深夜の「チェックインできません」の電話
外国人観光客「鍵が開きません」
ホスト「え?暗証番号送ってるのに?」

原因は
・宿泊者が違う部屋のドアを開けようとしていた
・そもそも到着が3時間遅れ
など、わりとカオスです。


②勝手に友達呼んで6人でパーティー
定員2名の部屋なのに「友達が遊びに来ただけ」とか言いながら6人で宴会。
「気づいた近隣住民から通報 → 管理会社から怒られる → レビューで★1を付けられる」という踏んだり蹴ったりコースです。


③備品の持ち帰り事件
タオル、ドライヤー、まれにテレビまで持っていかれる。
「宿泊したら持って帰れると思ってた」
いや、そんなわけないでしょ。


④長期宿泊者が住み始める
1週間の予約 → 気づいたら1ヶ月、2ヶ月…
荷物も増えて「完全に生活してますけど?」状態。
退去をお願いするのも一苦労ですね。


このような話を聞くと「民泊って大変そう…」と思うかもしれませんが、その通りです(笑)

民泊を始めるために必要な手続き

民泊は届出だけで簡単にできると思われがちですが、実は地味に面倒なのです。

住宅宿泊事業(民泊新法)の場合
・行政への届出
・近隣住民への事前説明
・宿泊者名簿の作成
・定期的な報告義務
・衛生管理

※「180日まで」という営業制限も意外と大きいポイント!


簡易宿所(旅館業)の場合
・換気
・採光
・基準面積
・トイレ数
など細かい規定をクリアする必要あり。

ガチで旅館業をやる形なので物件探しからが勝負です。

民泊と近隣トラブル【ここが一番重要】

民泊で一番揉めやすいのは近隣住民との関係です。
騒音、ゴミ問題、共用部のマナーなど、一度トラブルが起きると行政から指導され、最悪営業停止もありえます。

ホストがよく言うのは「宿泊者よりも近隣住民の方が大事」という名言。
近隣住人と良好な関係を築くことが民泊成功のカギです。

民泊を成功させるためのポイント

民泊で成功している人が必ずやっている鉄板ポイントを紹介します。

①清掃品質に全力
レビューの8割は清潔感で決まる。
ここにケチる人は撤退が早い。

②写真はプロレベルに
Airbnbの検索で埋もれるかどうかはここで決まる。

③自動化できるところは徹底的に自動化
スマートロック、オンラインガイドブック、チャットボットなどで負担軽減。

④価格は毎日調整(ダイナミックプライシング)
繁忙期は強気、平日は弱気。
これをやるだけで月5万円以上変わることもあります。

⑤近隣住民ファースト
これは一番大事です。

民泊の今後、主要なトレンドと課題

インバウンド需要の回復、地方分散化
・訪日外国人の回復が続いていて、民泊の利用が増えています。(特に地方など都市部以外での需要が伸びてきている)

・Airbnbも「地方分散型旅行」を促進するモデルに注力しており、空き家や古民家の活用が注目されています。

・地方では戸建てや一棟貸しの民泊が増え、団体客や長期滞在の旅行者に強みを持っています。


規制強化のリスク
・住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)などによって、営業日数の上限(たとえば年間180日など)があります。

・都市によっては自治体レベルでさらに厳しい条例を検討、導入するケースがあります。(豊島区などがその例として取り沙汰されています)

・マンション管理組合によって「短期賃貸を認めない」規約を持つところが多く、住居型集合住宅での民泊参入は難しいのが現状です。(実際、日本のマンション管理協会の調査では短期賃貸を許可している割合は非常に低いです)


運営コスト、管理負荷
・民泊は清掃、客対応、物件維持など運営コストや手間が大きく、個人運営者には負担が重い。

・安定収益を狙うには一棟貸しや長期滞在型、あるいは年間営業可能な許可を取得する必要があるが、それにはコストや規制クリアのハードルがあります。


役割の多様化
・民泊は単なる宿泊手段だけでなく、地域活性化や空き家再生のインフラとしての役割を果たす可能性がある。

・災害時の避難施設(要配慮者の受け入れ先)としての提供など、公共性を持たせる動きもある。

・滞在型住居と宿泊型の中間の形、例えば単身者が住むマンションで空いている日は民泊として貸すようなモデルも注目されている。


投資、不動産視点
・不動産投資家の観点では規制をクリアした民泊物件の価値やライセンス自体が資産になる可能性がある。

・しかしマンションなどで民泊を許容しない管理組合も多いため、物件選びが非常に重要。

・ホテルや宿泊施設の供給は続いており、民泊が全てを代替するわけではなく、業界の一部として定着する可能性が高い。(三井住友トラスト基礎研究所の報告でも、ホテル市場への影響は限定的という分析がある)

将来のシナリオ(今後5~10年を想定)

いくつか起こり得るシナリオを考えてみます。

成長シナリオ(プラス要素が強く出る)
・インバウンドが引き続き伸び、観光の地方分散化が進む → 地方の戸建て、古民家、空き家を活用した民泊が拡大。

・規制をクリアしたプロ運営者が参入し、安定性のあるビジネスモデルが増える。

・民泊運営会社が地域自治体と協働し、地域活性化や空き家再生とリンクした「地域民泊プラットフォーム」が発展。

・民泊のライセンス(特定地域・許可数)を持つ物件が希少価値を持ち、不動産投資の対象になる。


規制強化シナリオ(規制リスクが出る)
・各自治体で民泊規制を強化。営業可能日数の制限強化や、新規許可発給の抑制。

・マンション管理組合が反対して、集合住宅での民泊が制限されるケースが増加。

・運営コスト(清掃、管理、保険、法令対応など)が重くなり、個人ホストが撤退。

・消費者ニーズが「ホテル+旅館」など他宿泊形態に戻るか、競合が激化して利回りが低下。


安定・成熟シナリオ(中立)
・規制と需要のバランスがとれて、市場としては成長はするが「バブル的急拡大」ではなく段階的な拡大。

・都心部や観光地ではプロ運営が中心に、地方では空き家、地域重視型のホスピタリティが根付く。

・ホストは運営効率化(例えば清掃会社、ホスピタリティ企業との提携)を進め、スケールを出す。

・地方自治体とも協働し、地域型宿泊ビジネスが分散型観光の重要な柱になる。

リスク・注意点

法令リスク
各自治体の条例が変わる可能性がある。
規制強化リスクは常にある。

近隣トラブル
騒音、ゴミ、住民とのトラブルは民泊運営の大きなリスク。

運営コスト
清掃、管理、保険、税金をきちんと見積もらないと収益が圧迫される。

物件選び
マンション、戸建てなど物件タイプによって許可の取りやすさや収益性が大きく変わる。

競合
ホテルや他の宿泊施設、または他のホストとの競争。
特にハイグレード、ユニーク物件が差別化要因になる。

民泊は簡単ではないが、可能性はデカい

可能性は大きい
民泊は単なる宿泊手段としてだけではなく、地域活性化や空き家活用とも親和性が高いため、中長期での成長力は十分ある。

慎重な戦略が必要
許可取得、物件選定、運営効率化、地域との関係構築などをきちんとやらないとリスクが高い。

差別化とプロ化の時代
単純な「部屋貸し」だけでは厳しくなり、差別化(ユニーク物件・体験型・長期滞在など)や運営のプロ化が鍵になる。

まとめ

民泊は「空き部屋でお小遣い稼ぎ」ではなく立派なビジネスです。
簡単ではありませんが、可能性はデカいと思います。

手続きもあるし、トラブルもあるし、レビューに怯える日もあります(笑)
(※ある意味SNS運営と一緒です!)

・空き部屋の活用
・副業としての可能性
・インバウンド増加
・初期費用の少なさ

このようなメリットも大きいので、「やってみたい!」と思ったなら、まずは小さく始めてみるのも良いかと思います。
たとえ失敗しても経験値になりますし、成功したら最高に楽しいビジネスです。

ちなみに弊社にも毎月5件ほど「民泊可能なマンションの一室を購入したいのですが、ありませんか?」という連絡が来ますが……残念ながらなかなかありませんが、タイミングよく物件があればご紹介可能です。
弊社がある豊島区では2026年12月から民泊営業できる期間を年間120日にする方針がありますが、民泊はまだまだ人気のようです。


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