日本人にとって「お城」と聞くと、真っ先に思い浮かぶのは姫路城や大阪城のような堂々たる天守閣でしょう。
観光名所としても人気が高く、「一度は行ってみたい日本の名城ランキング」などでは常に上位に登場します。
しかし、実はお城は単なる「戦いの拠点」や「権力の象徴」ではありませんでした。
領主が人々を治め、経済を回すための拠点であり、その周囲には町が整然と区画され、商人や職人たちが暮らしていました。
言い換えれば、日本のお城は「近世不動産開発の最前線」だったのです。
現代の不動産と城がどう結びつくのか、一見すると奇妙に感じるかもしれません。
でも歴史をひも解いていくと、土地の利用法や区画の考え方、権利の管理など、多くの点で「城下町の仕組み」が現在の不動産制度に通じていることが分かります。
今回は「お城と不動産の意外な関係」をテーマに、歴史の豆知識を交えながら掘り下げていきましょう。

城は巨大な「不動産開発プロジェクト」だった
戦国時代から江戸時代にかけて、日本各地で築かれた城の多くは単なる軍事施設ではなく、領地経営の拠点でした。
特に江戸時代の城は「城下町」をセットで整備するのが常識でした。
たとえば…加賀百万石の金沢城。
城の周囲には武家屋敷が整然と並び、その外側には町人地が形成されました。
これはまさに計画都市ですね。
区画整理をし、用途ごとにエリアを分け、交通の便を考え、川や堀をインフラとして整える。
つまり、現代の都市計画と大差ありません。
現代の不動産開発で言えば、ニュータウンや大型住宅地開発に近いものがあります。
城主はただの軍人ではなく、不動産デベロッパー的な役割も担っていたわけです。
城下町は「用途地域」の先取り
不動産の世界では「用途地域」という言葉があります。
これは都市計画法に基づき、「住宅専用」「商業地域」「工業地域」といったエリアを分ける制度です。
実はこの発想が江戸時代の城下町にもすでに存在していました。
・武家地:家臣団が住むエリア。身分や石高に応じて敷地が与えられる。
・町人地:商人・職人が暮らすエリア。商売のしやすさを重視。
・寺社地:寺院や神社が置かれるエリア。治安や信仰を支える。
用途ごとに分けられた空間は、まさに現代の都市計画そのものです。
しかも江戸城下町などでは防衛上の観点から道をわざと曲げたり、見通しを悪くするなどの工夫も凝らされました。
これを現代の言葉で言えば「防犯設計」や「ランドスケープデザイン」と呼べるでしょう。
城主は大家さん? 武士は賃借人?
江戸時代の武士たちは城主から屋敷を与えられていました。
これは一見「所有権」のようですが、実際には自由に売買することはできませんでした。
つまり武士の屋敷は貸与された不動産であり、武士は「家賃を払わない賃借人」のような存在だったのです。
もちろん金銭での家賃はありませんが、その代わりに軍役や奉公という「労務」で対価を支払っていたと考えれば、不動産的な関係が見えてきます。
現代の社宅制度や官舎のイメージに近いですね。
城の堀と堤防は「インフラ投資」だった
城を語る上で欠かせないのが堀や土塁です。
これらは防御のための施設ですが、同時に「治水」「交通」などの役割も担っていました。
江戸城のお堀を例にとると、外堀の一部は川を利用して舟運を可能にし、物流の動脈としても機能していました。
つまり、城のインフラ整備は地域の経済発展にも直結していたのです。
これは現代の都市開発で高速道路や鉄道を引くのと同じ発想と言えるでしょう。
明治維新後、城は「国有財産」として売却された
お城と不動産の関係をもっとも劇的に示すのが、明治維新後の「廃城令」です。
1873年に政府は全国の城郭を不要とみなし、破却・払い下げを進めました。
中には「天守が壊され、土地が競売にかけられた」ケースもあります。
大阪城は陸軍用地となり、名古屋城は一時的に払い下げの対象となりました。
松本城などは市民の嘆願運動によって解体を免れましたが、もし誰も保存に動かなければ…今ごろ高級住宅地になっていたかもしれません。
つまり「城跡」がそのまま不動産として市場に出回ったのです。
歴史的建造物と不動産取引が交差した、非常にユニークな出来事でした。
現代の「城跡不動産」事情
現在、城跡の多くは公園や観光地として整備されています。
しかし一部の城下町エリアは、そのまま住宅地や商業地に変化しました。
京都や金沢のように古い区画が残る街では、「道が細く曲がっている」「町名が当時のまま」という形で、城の影響が今なお感じられます。
さらに面白いのは「城を買いたい!」という現代人の存在です(笑)
実際、近年では小規模な山城跡や古城が個人に売却されるケースも出ています。
価格は数百万円から数千万円らしいです。
購入者は保存活動をしたり、観光資源として再生したりしています。(金額が安ければ……私も欲しいですwww)
これはまさに「お城も不動産の一種」として捉えられる証拠です。
まとめ
こうして見てみると…日本の城は単なる戦いの舞台ではなく、都市計画・区画整理・不動産管理のルーツだったことが分かります。
・城下町は「用途地域」の先取り
・武士の屋敷は「社宅」や「賃貸」に近い
・堀や堤防は「インフラ投資」
・明治以降、城は「国有財産」として売却対象になった
お城を観光で訪れるとき、「ここは昔のニュータウン開発現場だった」と思えば、また違った視点で楽しめるはずです。
「歴史と不動産」は意外な組み合わせですが、実は切っても切れない関係にあったのです。
おまけ:不動産屋が城を売り出したら?
もしも……現代の不動産広告風にお城を紹介したらどうなるでしょうか?
「駅徒歩30分、堀に囲まれた好立地! 眺望抜群の天守付き!」
「防犯性◎ 門と石垣でセキュリティ万全!」
「広大な庭(実際は武家屋敷地)がついてきます!」
ちょっと冗談めいていますが、こうした発想を重ねると「お城=巨大な不動産」と考えるのも自然に思えてきますね(笑)
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