日本の経済史の中で最も狂乱的だった時代といえば、もちろん「バブル期」です。
特に1986年~1991年にかけての数年間です。

この時代は日本中が浮かれ、地価は天井知らずの勢いで上昇し、土地さえ持っていれば億万長者になれるとまで言われました。

そこで気になるのが……その地価高騰は具体的にどれほどヤバかったのでしょうか?

今回は数字や実例を交えながら、その狂気の時代を解説していきます。

地価の上昇率は常軌を逸していた

1980年代後半、日本の地価は一部地域で年間20〜30%以上の上昇を記録しました。
ピーク時には東京都心の一等地の地価がたった3年で2倍〜3倍以上に跳ね上がるなど、通常では考えられない状況となっていました。

分かり易く説明するために一例を挙げると、1986年に1㎡あたり約200万円だった東京都千代田区の地価は、わずか3年後の1989年には約580万円まで急騰しました。
これは年平均で50%近い上昇率で、明らかに異常なペースです(笑)

なぜバブルが発生したのか?

バブル経済が発生した原因は一つではありません。
以下の複数の要因が複雑に絡み合って地価の高騰を引き起こしました。

①日銀の金融緩和
1985年のプラザ合意以降、急激な円高が進行し、日本経済は輸出不振に陥りました。
これを受けて日本銀行は景気を下支えするため、超低金利政策を実施し、1987年には政策金利が2.5%まで引き下げられました。
これにより企業も個人も融資を受けやすくなり、不動産投資に資金が大量に流れ込みました。


②銀行の過剰融資
金融機関は「土地は必ず値上がりする」という幻想を信じ、不動産を担保に無制限ともいえる融資を行いました。
特にノンバンク(金融機関ではない貸金業者)の台頭により、自己資本が少ない企業や個人までもが土地を買えるようになりました。


③土地神話と不動産投資ブーム
戦後の高度成長を経て「土地は不滅の資産」という意識が広がっており、不動産こそが最も確実な投資と信じられていました。
その結果として「転売目的で土地を買う」短期志向の投資家が急増したのです。
「土地ころがし」という言葉が一般化するほどでした。

地価高騰の象徴的な事例

■皇居の価値がアメリカ全土よりも高かった?
当時、世界のメディアで話題になったのが、「東京の皇居の地価がアメリカ全土の不動産価値を上回った」という逸話です。
これは象徴的な言い回しですが、当時の地価をベースに単純計算すると……皇居の敷地(1.15平方キロメートル)だけで2,000兆円以上の価値があるとされていたのです。

一方、当時のアメリカ全体の商業不動産の価値は1,400兆円前後とされており、皮肉にも「皇居>アメリカ」という図式が生まれました。
これは現実的ではありませんが、それほど日本の地価がバブル化していたことの象徴でもあります。


■銀座の一坪が1億円超え
バブル絶頂期の1989年、銀座・中央通り沿いの「山野楽器」前の一等地では、1坪(約3.3㎡)あたり3億8,000万円という評価額がつきました。
これは1㎡あたりで約1億1,500万円です。
日本円の価値を考えれば、まさに常軌を逸した価格です。

地価高騰がもたらした弊害

異常な地価高騰は経済的にも社会的にも様々な悪影響を及ぼしました。

①一般人には住宅が買えなくなった
都心部の地価が上がりすぎて、中流層では到底家が買えないという現象が発生しました。
郊外や地方でも地価が上昇し、家を買うには一生分のローンを組まないといけないほどになってしまったのです。
これにより住宅ローン難民が増加したのです。


②土地ころがしによる投機バブル
本業とは関係のない企業や素人までが土地売買に参入しました。
短期間で何度も転売されることにより、土地価格はさらに非現実的に吊り上がり、実体経済とかけ離れた不動産投機バブルが完成しました。


③地価をベースにした融資の過剰
地価が担保価値となっていたため、上がり続ける土地価格に合わせて銀行は際限なく融資を増やしていきました。
これが後の不良債権問題を招き、日本経済に深刻なダメージを残すことになります。

バブル崩壊とその後の地価暴落

1990年以降、政府と日銀はバブルを抑えるために金融引き締めを開始しました。
政策金利が徐々に引き上げられ、融資も厳格化されました。
これをきっかけに投機熱は急速に冷め、地価は一気に下落したのです。

特に1991年~2001年の10年間で、東京都心の地価はピーク時から70%以上下落したともいわれています。
つまり、1億円だった土地が3000万円以下になったケースもあるということです。

地価の下落とともに、多くの企業が不動産資産の含み損を抱えて倒産し、金融機関も巨額の不良債権を抱えて破綻や再編に追い込まれました。
このときの傷は日本経済に10年以上にわたって影を落とし、いわゆる「失われた10年」が始まったのです。

現在の地価と比較してみると…

では、今の地価と比べて、どれほど異常だったのでしょうか?

たとえば2025年現在、東京都千代田区の一等地でも商業地で「1㎡あたり500万円前後」が相場とされています。
これはバブル期ピークの価格には及ばない水準です。

未だにバブル期の価格には戻っておらず(戻ることは99%ないと思いますが…)、当時の地価高騰がいかに異常だったかが分かりますね(笑)

まとめ

知れば知るほど、当時の日本が凄さが分かりますね。

私は生まれていましたが、何も分からない年齢だったので……。
少しはその時代を経験してみたかったですね(笑)


今の私達が出来ることはバブル期の教訓を未来へ生かすことです。

たしかにバブル期の地価高騰は、経済的には「土地で金が湧く」という夢の時代のように見えたかもしれません。
しかし、その裏では多くの人が借金漬けになり、資産を失い、人生を狂わせたのもまた事実です。

過去の歴史を学ぶことで「地価は永遠に上がり続けるものではない」、「不動産投資はリスクとリターンのバランスが重要」という教訓を私達は改めて心に刻むべきです。
どんなに魅力的な数字が並んでいても、冷静な目と健全な資金計画がなければ、投資ではなく投機に陥ってしまいます


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