不動産投資の世界に足を踏み入れると必ず目に飛び込んでくる言葉があります。

それが「利回り」です。
特に初心者の方にとって「利回り10%以上」と聞けば、「これは儲かりそうだ!」と思ってしまうのも無理はありません。

ですが、ここには大きな落とし穴があります。

今回は「利回り10%超え」と謳われていた投資用物件の裏に隠されていたカラクリと、そのリスクについてお話ししたいと思います。

不動産投資で後悔しないためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。

利回り10%超えの物件には「理由」がある

結論から書きます。

利回り10%超えの物件は、“高利回り”ではなく“高リスク”である可能性が高いということです。
もちろん全ての物件がそうとは限りませんが、多くの場合、利回りの高さには裏があるのです。

なぜ利回りが高く見えるのか?

不動産投資における利回りには、大きく分けて「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。


表面利回り
購入価格に対して、年間の家賃収入の合計がどれくらいかを示す指標です。

<計算式>
表面利回り(%)=(年間家賃収入 ÷ 物件価格)× 100


実質利回り
実際には経費(固定資産税、修繕費、管理費など)を差し引いた後の手取り収入から算出します。


実質利回りの方がリアルに近い数字です。
問題は、多くの広告や営業トークで使われるのが「表面利回り」であるという点です。

表面利回り10%以上の物件は儲かりそうに見えますが、実質利回りに直すと5〜6%以下に落ち込むケースが多数あります。

実例:表面利回り12%のアパートを購入したAさんの話

ここで、実際に高利回り物件を購入したある投資家Aさんの例をご紹介します。

Aさんは都内で会社勤めをしながら、副業として不動産投資を始めようとしていました。
そんな中、地方都市の築30年の木造アパートが「利回り12%」という条件で紹介されたのです。
築年数は気になったものの、「満室稼働中」「サブリース契約で安心」「価格1,500万円」という内容に惹かれ、現地も見ないまま購入を決断しました。

しかし……購入後半年もしないうちに、Aさんは現実を知ることになります。


◆問題①サブリース契約の落とし穴
当初の家賃保証は、実際の家賃よりもかなり高めに設定されていました。
ところが契約書には「保証家賃は更新時に見直し可能」と書かれており、半年後の契約更新時にいきなり20%の減額通知が届きました。

◆問題②想定外の修繕費
物件は築30年。
見た目は清掃されていたものの、屋根や外壁、給排水設備はすでに限界に近く、修繕費として200万円が一括で必要になりました。

◆問題③空室と滞納のリスク
2年目以降、空室が続き、しかも家賃滞納者も発生。
想定していた収入がどんどん減っていったのです。


結果的に、当初想定していた年間家賃収入180万円は実質では100万円以下にまで落ち込み、実質利回りはわずか6.6%になってしまいました。
さらに修繕費や固定資産税などを差し引くと……実質は赤字でした。

カラクリの典型パターン

高利回り物件の裏には、次のような「カラクリ」が仕込まれていることが多くあります。

家賃が相場より高く設定されている(サブリース含む)

一時的に満室にして「満室稼働中」と見せかける

利回り計算に修繕費・税金などのコストを含めていない

築古物件で修繕リスクが非常に高い

賃貸需要がほとんどないエリアにある

これらの情報は、しっかり現地調査・周辺調査・収支シミュレーションを行わないと見抜けません。

どうすれば見抜けるのか?

高利回り物件に騙されないためには、以下のポイントを必ず押さえるようにしましょう。

実質利回りを自分で計算する
表面利回りだけで判断しないこと。
管理費・税金・空室率・修繕費用などを含めて、実質利回りを必ずシミュレーションしてください。

家賃が適正か、相場と比較する
SuumoやHOME'Sなどで周辺の同じ間取り・築年数の家賃相場をチェックしましょう。
相場より高すぎる場合は要注意です。

サブリース契約の内容を細かく確認する
「家賃保証」と書かれていても、更新時に自由に変更されるケースがあります。
契約書の「免責事項」や「保証家賃の改定条項」は要チェックです。

修繕履歴・インスペクションを確認する
築年数が古い物件ほど、どの部分にどれくらい費用がかかるのかを事前に確認しておくことが重要です。

まとめ:高利回りは“見せかけ”かもしれない

「利回り10%以上」という言葉は投資家の心を揺さぶる魅力的な数字です。
しかし、その数字には満室前提の家賃設定や修繕費・空室リスクを無視した“都合のいい見せ方”が含まれていることが多いのです。

成功している不動産投資家は「表面利回り」よりも「実質利回り」と「将来的な価値」に目を向けています。
数字に惑わされず、冷静に物件の本質を見抜く力を身につけることが、不動産投資で失敗しないための最善の方法です。

高利回りの不動産投資にはお気を付け下さい。
※全ての不動産に高利回りのリスクがあるという意味ではありません!


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